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借りの哲学 (atプラス叢書06)

借りの哲学 (atプラス叢書06)

借りの哲学 (atプラス叢書06)

☆☆☆

はじめに-《負債》から《借り》へ

「子どもを育てたかわりに,子どもに自分の言うことを聞かせようとしたり,将来,自分の面倒を見させようとする親は珍しくない」(p.21)

未婚率,離婚率の高さ,少子化の理由の一つだと考える.

「上の世代から受けた《借り》は,下の世代に返せばよい」(p.25)

この発想が重要.
バレンタインの「義理」の《借り》を募金で返している人を思い出した.

『愛することとは,「自分の持っているすべてのものを差し出す」こと』(p.42)

第2章 《借り》から始まる人生

「親のほうが子どもを自分の分身のように愛していると,その別離の苦しみに耐えられず,
これまでの《借り》を盾にとって,子どもの独立を阻もうとすることもある.」(p.103)

これも,未婚率,離婚率の高さ,少子化の理由の一つだと考える.

第3章 《借り》を拒否する人々

「[現代人がさまざまな意味で《借り》を拒否して,そこから逃げようとしているから]内面の空虚を埋めるために,「快楽」を追い求めているというのは,まちがいのないことだろう」(p.186)

内面の空虚ではなく,退屈を埋めるためでは?

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