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消費社会の神話と構造 新装版

消費社会の神話と構造 新装版

消費社会の神話と構造 新装版

「過剰労働は,狂った悪循環,つまりいわゆる『心理的』欲求の高揚にもとづいた消費の地獄のロンドを形成する.」(p.102)

客観的に見て,過剰労働している人は消費地獄の悪循環しているように見える.

「消費はひとつの社会的労働」(p.125)

「彼ら[消費者]は世論(中略)という欺瞞によって,いたるところでおだてられ,へつらわれ,ほめたたえられている」(p.128)

「[反消費のきわめて現代的な症候群]は結局メタ消費」(p.137)

断捨離という行為を滑稽に見ていたのだが,理由がわかった.

それは,
ダイエット(コスト,エネルギー,時間を消費して太った体を,コスト,エネルギー,時間を消費して痩せようと努力する)に似ているからだ.

他にも,

  • 過去の自分の否定
  • リバウンドする(また消費することが出来る)可能性を作り出す

点が似ている.

「『ミゼラビリズム』(貧困者のふりをすること)」(p.138)

現代の日本人は,ミゼラビリズムのうちに,自分は貧困者だと思うようになってしまったのでは?

「砂金探し」(p.138)

それほど必要のない仕事の経営者は「砂金探し」をしているのでは?

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