哲子の部屋 Ⅲ: “本当の自分”って何?
- 作者: NHK『哲子の部屋』制作班,千葉雅也
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/05/01
- メディア: 単行本
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☆☆☆
《自分》について考える機会があるので読了.
「『アイデンティティ』というのは,『(自己)同一性』(・・・)言い換えると『自分が自分であるということ』,『自分が同じこの私である』ということ」(p.21)
「アイデンティティの悩みについて(・・・)『私と言うか言わないかが,もはや重要でない地点に到達することだ』ジルドゥルーズ&フェリックスガタリ『千のプラトー―資本主義と分裂症』より "本当の自分"とか『一個のアイデンティティ』なんてそんなものは根本からないんだ(・・・)これがドゥルーズの唱えた現代哲学の根本原理」(p.35-36)
「突き詰めなくていい」(p.76)
清水富美加さんが,周りからの「明るいよね」という(多分それほど考えた発言ではないだろう)評に対してアイデンティティを真面目に考えている点に,若い頃には敏感に受け取りがちな,他人の言葉の影響について考えさせられた.
「『自分』という存在も,『他者からの寄せ集め』」(p.84)