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ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)

ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)

ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)

☆☆☆

  • なぜ読んだのか
     敬語が下手なので

  • サマリー

 この本は「正しい敬語の使い方を教える本」では無く「正しい敬語の使い方をするなんてこんなにもへんだ」ということを教え(p.70),「敬語ってなんだ?」を考え「ないと困るから皆さんそれぞれ正しい敬語の使い方を考えてください」という本(p.8)
現代で敬語が必要な理由は「目上の人をちゃんと尊敬するため」ではなく「人と人との間にある距離をちゃんと確認し、人間関係をきちんと動かすため」(p.85)と著者はいう.
1

  • 発見

 「敬語を使え」と言うことは「俺は偉い」と同じなので,「敬語を使え」と言う人を「嫌なやつ」と思って不思議ではない (p.84)

英語の「HEY YOU[どんな相手にも使える2人称の代名詞(cf.p.98)]」という言い方が日本語ではできない.日本語は「知っている人」だけの2人称の代名詞[「きみ」,「あなた」,「おまえ」]を自分と相手の距離を測り,使い分けしている (p.89)

関西系のお笑いタレントの,自分=あんた,われぇ[我]=おまえ,と,時代劇の,おのれぇ[己]=てめぇ は1人称と2人称の区別がない(p.91) 日本語は、「自分」と「他人」の区別をつけない(p.92)

人と話をするときに相手と自分との距離を考えなければならないところが日本語の欠点 (p.98)

日本語の敬語はとても複雑である.なぜなら、昔の「身分のない人」たちが、「自分が、自分と同じような人たちと普通に話せるようになるためには、どういう言い方をすればいいのか?」と考え、いろんな言い方をしたから.ゆえに「日本語の表現は豊か」. 日本語の敬語を自分のものにするためはに、「人の話し方を聞く」と,「いろんな言い方を知る」が必要 (pp.126-127)

  • どう活かすか
     敬語を使う前に,誰に対してどの程度の距離をとるべきか考える必要がある.「日本語の表現は豊か」でもあるが僕には欠点の方が多く感じられ面倒なので,他者との距離を遠くに統一化し,敬語を使ってみる.

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


  1. 色の分類は 齋藤孝 『三色ボールペン情報活用術』 角川書店,2003年.を参考