哲学思考トレーニング
- 作者: 伊勢田哲治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/07/06
- メディア: 新書
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☆☆☆☆
なぜ読んだのか
- ほどよい懐疑主義を実践するため
アブストラクト
- さまざまな角度からクリティカルシンキングについて説明される.
発見
「思いやりの原理」(principle of charity)相手の議論を組み立て直す場合には,できるだけ筋の通った形に組み立てなおすべきだという原理.論争はお互いの言っていることを理解する協力的な作業.疑うことと協力的態度は決して矛盾しない.(p. 49)
「協調原理」(principle of cooperation) 話し手はその場におけるコミュニケーションの目的の達成のために協力的な態度をとるべし,という原理 (p. 52)
「確立した科学的事実である」という表現がふさわしくなるのは教科書などにも乗るくらいのレベルになってから (p. 92)
「文脈主義」 同じ人の同じ主張が,判定を下す側の文脈で妥当とも妥当でないとも判断できる,という可能性を認めるのが文脈主義 (p. 137)
「通約不可能性」 2つのグループが全く違う世界観で世界を見るために基本的な出来事でさえも違って見え,そのために話が通じなくなるという状態 (p. 222)
どう活かすか
- 哲学的定義を試みる (p. 99)
- 「基準の上下」型文脈主義(p. 148)を採用する.
- 対立する用方は記号をつけて区別する.言葉の意味についていくつかの立場があるなら,それぞれをa, b, cなどとやって区別し混乱を防ぐ (p. 182)
- 通約不可能な意見の差に敏感になり相手の「世界観」から状況をみる (p. 223)