仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析 (こころライブラリー)
仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析 (こころライブラリー)
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/19
- メディア: 単行本
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キーワード
- 30代うつ
- 免責
- 異議申し立ての権利
発見
「正業不安」を乗り越えるためには1
ポジティブシンキングを自己暗示に近いほど頭にたたきこむ「コーチング」技術などを利用して、「正業」に真正面から取り組み、成果を上げていくのを一種のゲームのように楽しむか
あるいはそれとはまったく逆に「正業で評価されても、それは私の価値とは関係ない。正業も趣味もたいして変わりない」と正業を軽視する術を身に付けるか
(p. 54)
- インターネットと「免責」への欲求や「異議申し立ての権利」の意識
(p. 127)
- 今の時点では、人間は自己像や固定した価値観に基づくライフスタイルを築くことをせずに、「昨日は昨日、今日は今日」と「解離」のメカニズムだけで生きていくことはできないのかもしれない
(p. 127)
- いつも明るくハツラツとした気持ちでいることが、現代社会を生き抜くためには不可欠、という雰囲気の中では、例えば朝起きてなんとも言えず憂鬱な気分を感じただけで、「これはまずい」という不安やあせりに陥るのではないだろうか。「なんだか今日は調子が悪いな。(中略)まぁ、こういう日もあるだろう」とその気分を受け入れ、やりすごすことができないのだ。
(p. 174)
- 「人生に落ち込みや憂うつはつきもの」
(p. 174)
- 「誰もがゆっくり憂うつに浸れるほどのゆるやかな社会に戻せ」と言ったところで、それは簡単には実現しない
(p. 176)
- 「落ち込みは異常でも病でもない」ということを受け入れられるような個人精神療法も必要になる。「落ち込んだり立ち止まったりすることも許されない社会はおかしい」ということに、多くの人が気づくことが重要
(p. 177)
- 以前なら「これは私自身の信念や思考の問題だ」と内省したり読書をしたりしたところだが、今はすぐに「私の外に原因がある」と発想してしまうのではないか、と五木寛之氏は分析する
(p. 185)
- 気持ちが落ち込むこと、何かが計画通りにいかずに足踏みすることは、悪いことでも恥ずかしいことでもない。(中略)マイナスの気分が襲ってきたときこそ、人生の深遠に触れ、自分の本当の力に気づくチャンス
(p. 189)
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色の分類は 齋藤孝 『三色ボールペン情報活用術』 角川書店、2003年。を参考↩