この国を出よ
- 作者: 大前研一,柳井正
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/09/29
- メディア: 単行本
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☆☆
極論すれば、もはや日本はビジネスに適した場所ではなくなっているのです。保養所としてなら、日本は非の打ちどころがありません。
過去の失敗に学ばず、記憶も喪失する-これは企業に限らず日本全体の"体質"なのかもしれません。しかし、グローバル社会で稼ごうという時には、この病を克服しなければならない。また、貴重な失敗の経験は皆で共有し、人を介したノウハウも大切に保存していくことを考えなくてはならない。
日本の経営者は、ある程度まで会社が成長すると、すぐに達成感を覚えがち。そんな低いレベルのままで満足し、立ち止まっていたら、すぐに時代に取り残され、衰弱するのは明らか。
数十億円の資産を手にしたり、売上高が数百億円レベルになると、すっかり大企業の経営者になったと錯覚してしまう。数十億円の資産があれば、それ以上は人生で使いようが無いから、志がなければ、死に物狂いで経営を続けようとは思わないでしょう。
そこから凋落していった会社は、社員のモチベーションが持続しなかったのだと思います。ビジネスを通じて社会を良くしたいという志の無い会社だから、現場の社員たちは必死に働いても、やりがいを感じることが出来ない。そうなると、企業は当然のごとく下り坂を転げ落ちていくことになる。