ふたりの証拠
- 作者: アゴタクリストフ,Agota Kristof,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/11
- メディア: 文庫
- 購入: 38人 クリック: 327回
- この商品を含むブログ (120件) を見る
☆☆☆
10代後半のリュカは「知性こそが肝心なんだ」と言って愛し,
育てたマティスは自死を選ぶ.
その後,リュカはチェスも弱くなり本も読まなく,書かなくなる
少年期までは「肝心」だった,チェス,読書,書くことのようなような知性も,青年になると変容する必要が出てくるのだろう.
「今のままのあの子を受け入れるわ」と言った,ヤスミーヌには青年期の知性があったように思う.
『悪童日記』読了時には,かれらのように生きていけたらと思ったが,
『ふたりの証拠』を読み進めると,リュカのように成長したいとは思えなくなっていた.