book review

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14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

☆☆☆

  • なぜ読んだのか
     著者と社会学に興味を持ち読了

  • 何が書いてあったか

「4時間勉強したら,あとは本を読むか,音楽をきくか,街に出て映画や演劇を見るか,あるいは友だちの家で徹夜でおしゃべりした.(中略)残りの時間は「将来の自分が,ちゃんと人を愛し,ちゃんと人から愛されるために必要なこと」「将来の自分が,ちゃんと社会を大切にし,ちゃんと社会から大切にされるために必要なこと」を身につけるのに使おう.幸せになるには,ムダなことに時間を使っていられない.」(p.76)

なるほど.毎日4時間ほどに受験勉強を抑えることは大事だ.それ以上に時間が必要なら,著者のように予備校に進むのも悪くないのだろう.「14歳」には具体的にためになる箇所だろう.

  • 何を学んだか

人が幸せに生きるためには「尊厳[自分は他者に受け入れられる存在だと思えること]」が必要 (cf.p.18)

「尊厳」は「承認」によって獲得する (cf.p.24)
"インスタ映え"などで「承認」を求める人達が「尊厳」が無く,自分に「価値がある」と思えないとしたら,生きることが困難な状態なのかもしれない. そして,彼らの閉じた世界で間違った価値観が承認されているならば危険だ.

社会が複雑になり共通前提が消え共通感覚[ホンネの共有]が崩れている (cf.p.39)
発行された2008年から9年経ち,より強く感じている.

社会学主意主義の立場であり,意思を出発点にする (cf.p.56)

願望水準[自分が心の奥底で何を望んでいる水準]は下げない (cf.p.79)

自分流にこだわることだけ考える (cf.p.112)

経験する「試行錯誤」だけが役立つ (cf.p.104)

ダメなやつとの関係は切ればいい (cf.p.143)

  • どう活かすか

社会ではなく世界の中に生きて死ぬこと (cf.p.160)を考えているので「承認」は気にならないのだが,だとしても,一人寂しく死ぬことはいけないのか (cf.p.78)

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