勝負心 (文春新書 950)
- 作者: 渡辺明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/11/20
- メディア: 新書
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なぜ読んだのか
棋士の考え方から学びたく読了.渡辺竜王(肩書は当時のもの)から客観的に見た羽生さんの偉大さを知ることが出来た.ちなみに,『レジャー白書 2017 余暇の現状と産業・市場の動向』(生産性出版)によれば,16年の将棋人口は530万人.キーワード
羽生さん 研究 時間 持続力 最善手 正着 平常心 実力 形勢判断
- 発見
羽生さんの強さの秘訣は,常に新しい形を積極的に追い求めてきた貪欲な姿勢(p.41)と,簡単には土俵を割らない底力1 (p.47)
本物に触れ,自分の目と心を養うことが大事.誤ったもの吸収してしまうと,本筋とずれた方向に進んでしまう (p.49)
棋士はどんな局面に直面した場合でも最善手を発見する嗅覚が発達している.その能力は棋士人生で数々の修羅場を経験し自ずと築かれていくもの (p.101)
勝負は頭に浮かんだ先の局面で正しく形勢判断できるかにかかっている.自分が優勢であることを確信しつつその局面に誘導できれば成功と言える (p.117)
相手の次の一手を読むときに3つのパターンを考える
- 本筋,成功法の一手
- 裏切りの一手
- 奇想天外のリスキーな一手
平常心を欠く状況に陥らないためにも、想定外を想定しておくことが重要 (p.119-120)
渡辺竜王は本書(2013年発行)の中で,対局中の電子機器の取り扱いについて,お互いが気持ち良く対局できるという理由でなんらかのルールはあるべき,と書いている. (p.141)
渡辺竜王の要望が採択されていれば,2016年の疑惑は生じなかった可能性が高い.将棋連盟の運営も楽ではなさそうだ.
渡辺竜王は永世称号の有資格者になり,引き際を考えたと言う. (p.180)
称号にふさわしい振る舞いを自らに課す棋士の生き方に品を感じる.
- どう活かすか
貪欲に,常に新しい形を積極的に追い求め,底力も身につけたい.
棋譜並べのように,本物に触れ,本筋を選ぶ感覚を磨く.誤ったものに触れないよう努力する.これで,正着を指す嗅覚が磨かれるのだろう.
形勢判断を正確に行い,自分で未来(局面)を作る.
相手の次の一手を3パターン考え,平常心を欠く状況に陥らないようにする.
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色の分類は 齋藤孝 『三色ボールペン情報活用術』 角川書店,2003年.を参考↩