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book review

what you see is all there is

文明はなぜ崩壊するのか

文明はなぜ崩壊するのか

文明はなぜ崩壊するのか

☆☆☆

客観的な事実と知識で,思い込みを防ぐ

先進的な文明では、知識を獲得するのが難しくなってくると、思い込みが知識に勝ってしまう。思い込みは、知識獲得の能力に反比例して強くなる。

世界各国の経済が似通ってきているせいで、非合理的な変化の対応も似てきているのである。

手に負えない状況に直面した時、私たちはまずよく知っているものに、逃げ込む。たとえそれが失敗を意味するとしても。

扱い切れない問題に直面した脳は、自らの能力に合わせて問題を単純化してしまい、従来の解決策で対応しようとする。たとえそれが効果がないことがはっきりしていても。

21世紀の私たちは、都合の良い結論を支持してくれる事実ばかりを寄せ集め、それを論理的でもっともらしい主張に仕立て上げるのがとても上手になった。

思い込みのもとは、こじつけの関係だったり、論理の操作だったり、あるいはただの人気の高さだったりするのだ。

システム的な問題を一括で解決できて、人類に多大な恩恵をもたらす手段は、今の経済モデルにはなかなかなじまない。

解決策からお金が生まれないときは、人類全体の恩恵は切りすてられてしまうのだ。

小さい努力をいくつも束ねると、成功の可能性が最大になる。それが並行漸進主義の考え方だ。問題が複雑で破壊的になればなるほど、緩和策をいくつも並行させることが重要になる。それによって成功の確率が上がるだけでなく、緩和策同士の相乗作用で威力が増すのである。

本当の変革、世界を良い方向に導くような変革は、ありきたりのビジネス感覚からはまず出てこない。