book review

what you see is all there is

長考力 1000手先を読む技術 (幻冬舎新書)

☆☆☆

  • なぜ読んだのか
     著者から長考について学びたく読了

  • 発見

佐藤9段は,勝ちまでを正確に読み切る「縦の読み」と,分岐する局面で可能性を模索しながら不要な部分を削ぎ落としていくための「横の読み」の間を何度も行ったり来たりしながら思考を深めていく,集中を保ちながら考え続ける力を「長考する力」という1 (p.4)

定石などを鵜呑みにし,自分の力で考えずに局面を通り過ぎようとするのが一番危なく,相手に思わぬ手を指されると 油断した思考力 では対応しきれない.セオリーを覚えた瞬間は公平な思考より先に知識に遍重してしまい弱くなることがあるため「公平に思考する力」が必要という.公平さは,知識,経験,研究の蓄積をいったんリセットして,予断のない眼で目の前の盤面を見つめることから生まれる. (p.27)

視覚や触覚の五感をフル活用した時の方が身につく部分が大きい(p.97)ので,現場に駆けつけて時間を共有し,感動することが重要(p.76)

  • どう活かすか

人生の選択肢が太くなるようにする(cf.p.32)

僕は,人生において大事なことは負けないことだと考えるので,極力戦いたくない.しかし戦いを仕掛けてくる相手はいるので,極力,戦場から遠ざかり鉄壁の「穴熊」に潜り,囲いを自ら壊し,補修し続けたい.(cf.p.54)森内9段の,負けにくい形を作る「鉄板流」から学ぶことがありそうだ.(p.125)

今後も,日本社会は思考に使う時間がより短く制限され,長考を出来ない人が増えると思う.だからこそ,時間に束縛され無い自由な思考を大事にしたい.(cf.p.67)

僕は一つの対象へのモチベーション維持に拘らず,モチベーションを持ち続ける事が重要と考えているので,様々な楽しい現場に駆けつけて五感を活用して時間を共有し,感動(p.76)してモチベーションを持ち続けたい.

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


  1. 色の分類は 齋藤孝 『三色ボールペン情報活用術』 角川書店,2003年.を参考